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不動産売却にかかる費用まとめ|手取り額を把握するために知っておくべき7項目

売却価格 = 手取り額ではない

“いくらで売れるか” は気にしていても、売却に “いくらかかるか” を把握している人は意外と少ないものです。不動産の売却には諸費用がかかります。「3,000万円で売れたのに、手元に残ったのは2,800万円だった…」「知らなかった…」というような後悔をしないためにも、売却にかかる費用は事前に正しく把握しておくことが重要です。この記事では、不動産売却時に発生する代表的な7つの費用について解説します。

不動産の査定をする人の手元

不動産売却時に発生する主な諸費用

1.仲介手数料(成功報酬)

もっとも大きなコストの一つが「仲介手数料」です。これは不動産会社に売却活動を依頼した際、契約成立時に売主が不動産会社に対して支払う報酬です。この手数料の上限は物件価格によって異なりますが基本的には「売却価格×3% + 6万円 + 消費税」という計算式で決まっています。このように法律で上限が定められているので、どの不動産会社であっても基本的には同じ金額になります。ちなみに、ここで意味する消費税は建物ではなく仲介手数料に対する税金です。

例)例えば、相模原市内の築10年マンション(売却価格 3,000万円)→ (3,000万円 × 3% + 6万円)+ 9.6万円 = 105.6万円

この費用は売却成立後に発生するため、途中で買主から購入をキャンセルされた場合は原則不要です。

不動産購入ガイド

2.印紙税(契約書に貼る収入印紙)

売買契約書には収入印紙を貼る義務があります。 これは印紙税法に基づくもので、契約書1通ごとにかかります。税額は契約書に記載された売買価格によって異なります。例えば、売買価格が1,000万円超え〜5,000万円以下の場合は、軽減措置(平成26年4月1日から令和9年3月31日)を適用すると1万円になります。

不動産売買契約書

3.抵当権抹消費用(住宅ローン完済時)

住宅ローンを借りていた物件を売却する場合「抵当権の抹消登記」が必要です。

  • 登録免許税:1物件につき1,000円程度
  • 司法書士への報酬:約1〜2万円が相場

抹消は売却の条件となるため、ローン残債は必ず決済日に一括返済する必要があります。

4.測量・境界確定費用(土地売却時)

土地を売却する際、敷地の境界が不明瞭な場合は、測量を行うことがあります。

  • 簡易測量:約15〜30万円
  • 境界確定測量:約40〜80万円(隣地所有者の立会いが必要)

この費用は一般的に売主負担のため、事前に境界が明確か確認しておくと安心です。

土地の測量

5.リフォーム・解体費用(必要に応じて)

中古物件の場合、売却前に最低限のリフォームやハウスクリーニングを行うことがあります。 また、古家を解体して更地にして売却するケースもあります。

  • ハウスクリーニング:約2〜10万円
  • 解体費用:一般的な木造家屋で約60〜200万円(坪単価3~5万円が目安)

「そのまま売る」or「手を入れて価値を上げて売る」かは、物件の状態と市場性で判断しましょう。

中古物件をリフォームする様子

6.譲渡所得にかかる税金(売却益が出た場合)

売却で利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して税金がかかります。

  • 所有期間5年超:長期譲渡所得(20.315%)
  • 所有期間5年以下:短期譲渡所得(39.63%)

ただし、特別控除や買換え特例など節税できる制度も複数あります。 税理士や不動産会社に相談することで、不要な税負担を防げます。

7.引越し・仮住まい費用(住み替え時)

住み替えを伴う売却では、引越し代や一時的な仮住まい費用(賃貸契約の礼金・敷金や家賃)も忘れずに見積もっておきましょう。

  • 引越し費用:約5〜20万円(距離・荷物量による)
  • 仮住まい家賃:1ヶ月あたり約5〜15万円

スムーズなスケジュール調整で、余計な出費を防ぐことも大切です。

引越し

まとめ:手取り額 = 売却価格 − “見えない費用” を引いた金額

不動産売却では、事前に知っておかないと思った以上に多くの費用が発生します。 仲介手数料や税金、手続き費用などをしっかり把握しておくことで、より正確な「手取り額」の見込みが立てられます。本記事を参考に、事前にしっかり資金計画を立てたうえで、安心して売却活動をスタートさせましょう。

不動産売却の合意

よくある質問:不動産売却の費用に関するQ&A

Q1. 不動産売却にかかる費用は誰が払うものでしょうか?

A. 基本的に、売却に必要な費用の多くは「売主」が負担します。代表的なものとして、仲介手数料や抵当権抹消費用、測量費用、譲渡所得税などが挙げられます。ただし、印紙税などケースによっては買主と分担したり、条件交渉によって変わることもあります。

Q2. 仲介手数料はどれくらいが相場ですか?

A. 不動産の仲介手数料は、法律で上限が「(売買価格×3% + 6万円)+ 消費税」と定められています。たとえば3,000万円の物件を売却した場合、仲介手数料の上限は105.6万円(税込)です。これは “成功報酬” なので、売買契約が成立しない限り発生しません。なお、令和6年7月1日以降は物件価格が800万円以下の宅地建物の仲介について、不動産会社はそれまでの原則定められていた上限を超えて手数料を受領できるようになりました。ただし、その上限(税込)は「30万円×1.1倍」と定められています。

Q3. 不動産売却で利益が出たら、税金は必ずかかりますか?

A. 売却で利益が出た場合、譲渡所得にかかる税金が課税される可能性があります。ただし、自宅として住んでいた物件を売却する場合には特別控除が適用され、課税されないこともあります。一方、投資物件などは控除対象外となるため、事前に確認が必要です。

Q4:売却活動にかかる広告費は誰が負担するのでしょうか?

A. 一般的には、広告費(ネット掲載・チラシなど)は不動産会社の負担です。売主が別途費用を求められることは基本的にありません。ただし「オプションで高額な有料広告を使いたい」など特別な要望がある場合、事前合意のうえで売主が費用を負担するケースもあります。媒介契約時に内容をよく確認しておきましょう。

Q5:売却活動中にリフォームはした方がいい?

A. 必ずしも必要ではありません。ただし、内覧時の印象は成約率に大きく影響するため、軽いハウスクリーニングや壁紙の張り替えなど、見た目の改善はおすすめします。また、築年数が古い物件の場合「最低限の補修で安心感を与える」ことで、売却価格の下落を防ぐ効果もあります。費用対効果を不動産会社と相談しながら判断するとよいでしょう。

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